写真の折りたたみ椅子が、今日の話題。 先日、パキスタン系英国人の老夫婦を案内した。夫人は、足が不自由で、杖の助けを借りて、歩いている。「松本城の階段は、勾配がきつい」と説明すると、行ける所まで行くという。実際、2階の鉄砲蔵の説明が終わった段階で、夫人は、「自分はここで待ちたい」と言った。辺りを見回すと、低い武者窓があり、桟に狭いながらも腰かけるスペースがありそうだ。近くにいた警備員に、了解を得ようとすると、彼は奥から折りたたみの椅子を出してきて、これを使ってくれという。腰をかけた夫人に、再会の予定時間を告げて、夫だけを最上階まで案内して、戻ってきた。英国人夫妻は、件の警備員にお礼を言い、私は、彼に、椅子のことを聞いた。「冬の閑散期に自分たちが暫しの休息をとるために椅子だ」と説明してくれた。つまり彼は機転を利かせて、この椅子を提供してくれたわけだ。親切心と柔軟な対応がうれしい。 そんなことから、城内警備員の動きにも注意が向いてくる。ある警備員は、急な階段を下りてくる日本人観光客に「2段目が、きついので気をつけてください」ときめ細かく呼びかける。また、月見櫓の警備員は、来る人来る人に「ありがとうございました」と声をかける。外国人にはどうか。やはり「ありがとうございました」。しかし、日本語で十分だ。雰囲気で、外国人は警備員の心を十分察してくれる。もちろん、私も「ありがとうございました」と警備員に返礼する。(ALSA会員 )