donjonとdungeonとkeep
お城の説明に欠かせない「天守閣」。ALSAでは当初「donjon」を使っていました。しかし発音が難しく、よく「dungeon」と間違われました。dungeonは地下牢を意味しますが、ヨーロッパでは地下牢のある城が多いことも有り、dungeonに間違われたのです。皆さんも「隠れ階はどこでしょう?」と訊ねると「石垣の中・地下」、との答えが返ってきた経験があるのではないでしょうか? そこで最近はマニュアルにも main tower を使用しています では「donjon」と「dungeon」の関係はどうなっているのでしょう? donjon の語源は「領主」を意味するラテン語の dominus だろうと言われていますが、古フランス語の donjon を経て、英国人が英語化した言葉が「dungeon」なのだそうです。 領主の塔を表す donjon は天守閣を表すのに適切ですが、英国で dungeon と呼ばれていた場所は単に城を守る強固な塔に過ぎなかったので、領主は次第に塔を離れ城内のより快適な場所に住むようになっていきました。その結果 dungeon は貯蔵庫または牢屋として使われる塔の地下室を指すようになり、天守閣には最後の砦として城を維持する意味の keep が使われるようになったのだそうです。 フランス語で天守閣は le donjon principal 又は la tour principal といいますが、最近の若者は la tour principal の方を好む、と若いフランス人から聞きました。