天守一階
武者走り
渡櫓二階から少し階段を下りると、いよいよ天守一階です。降りたところは、「武者走り」と呼ばれこの階の周囲を廻っています。(右の写真)そして案内板には、中央部分より一段低くなっている、と説明されています。そのまま読むと意図的に低くなっているような印象を受けますが、実は構造上の理由で中央部分が高くなっているのです。
構造上のもう一つの特徴はいちばん外側の柱の通りが、天守台(石垣)の形状に合わせて内側に湾曲していることhotta.gifです。松本城は層塔型天守に分類されていますが、このことは望楼型天守の特徴を示しており、望楼型から層塔型への過渡期の天守だと言われる理由の一つです。
400年前の土壁
昭和の大修理の時保存された、創建当時の壁の一部です。外側にある部分は明治の修理の際、上塗りされた部分です。
鯱
ご存じ鯱です。これらは昭和の大修理の際交換されたものです。資料がなくはっきりとは確認できませんが、他のサイトの望遠レンズで撮った写真を見る限り、現在天守の上にあげられている鯱は乾小天守のものとよく似ているように見えます。ですがやはりこちらの方が味わいがあります。口の形もはっきり「阿・吽」の形をしており、形相もかっこいいです。
懸魚
松本城の入母屋破風、千鳥破風に用いられていた「蕪(かぶら)懸魚」です。本来家魚の役目は、破風板拝みの後方にある棟木の先端を隠すためであり、そのため桁隠しとも言われていました。
右の写真を見てください。黒い汚れみたいなものがたくさん見えると思います。これは小さな釘です。(錆びて曲がっているのであんな風になっています。)破風の写真を見ていただけると、懸魚も漆喰で塗り固められていますが、普通にこの芯板に漆喰を塗ってもすぐにはがれ落ちてしまうので、釘を打って細い縄を巻き付け、その上から漆喰を乗せるのです。言い換えると表面に凹凸を作って漆喰がはがれにくくするためです。
松本城の抜け穴伝説
松本城天守には、周囲が約2m四方、深さ約1m、すっぽろと穴を開けたくぼみがあります。これは天守の内と外を結ぶ抜け穴の入り口ではないかといわれてきました。 1817(文化14)年に天守に上った武士は、このくぼみは「いろり」であると記しています。 昭和の大修理の時に、実際に抜け穴があるかどうか調査しました。その結果、抜け穴は見つかりませんでした。天守台の支持柱が腐ったあとが穴になっていたのです。 本丸から内堀・外堀・惣堀の下を通って城の外まで抜け穴を掘ることは、湧水地帯にある松本城では不可能なことでした。
天守二階
この階は鉄砲蔵と呼ばれていて、たくさんの火縄銃その他が展示されています。しかし展示物は本物ですが、松本城とは直接は関係ありません。以前松本に住んでおられた、コレクターである赤羽さんという方が寄贈されたものです。 火縄銃だけでなく、敵の砦に火をつけるためのロケットみたいなもの(写真右)や、007の映画に出てきそうなナイフのような拳銃(写真中)などが展示されています。
鎧
鉄砲隊の隊長クラスの鎧だそうです。だいたい12kg (意外に軽い) しかしこれを常につけて時には走り回るとしたら、かなりの重労働だろうなぁ。 当時の鉄砲隊が身につけるもの一式です。 顔の部分はあの「ダースベイダー」に似ていませんか? それもそのはず日本の鎧からヒントを得ているのだそうです。
仙台市ホームページの記事より 元記事は削除または移動されたようです。 ダースベイダーと伊達政宗…その意外な関係 映画「スターウォーズ」のダースベイダーは伊達政宗の兜をモデルに制作された…?
写真/くろうるしごまいどうぐそく黒漆五枚胴具足(くろうるしごまいどうぐそく)伊達政宗所用として最も有名な具足。前立の細長い金色の月が印象的。仙台伊達家では、旗は日輪、兜の前立は半月と定め、伊達政宗以降、九曜星を家紋のひとつとしている。仙台市博物館所蔵。
SF映画の新時代を拓いた映画「スターウォーズ」は、言わずと知れたジョージ・ルーカス監督の作品。1977年に米国で初公開された(日本では 1978年)のち爆発的にヒットし、2005年公開の「スターウォーズ・エピソード3…シスの復讐」まで6作品が世界中の映画ファンを魅了してきた。 すでに一部のファンの間では、映画の一方の主役・シスの暗黒卿ダースベイダーの衣装は日本の戦国武将の鎧兜をモチーフにしたものだと噂されていた。しかも、マスクの部分は伊達政宗の兜を参考にデザインされたものだと。さて、それは本当の話なのだろうか。早速、仙台市博物館の前館長の濱田直嗣さんに聞いてみた。 「20年以上も前のことですが、この映画の制作関係者だという人から仙台市博物館に国際電話がありました。伊達政宗の黒漆五枚胴具足の写真がほしいと言ってきたので米国に送ったことがあります」と言いながら1冊の本を見せてくれた。 表題は、"STAR WARS-THE MAGIC OF MYTH-" 米国の MARY HENDERSON という出版社が1997年に発行したもので、スターウォーズに登場する人物の衣装、航空機、武器、シーンなどのヒントに使われた物事が紹介されている。 なんと、その188-189ページに、ダースベイダーと伊達政宗の黒漆五枚胴具足の兜部分の写真が並んで紹介されているではないか。(写真下) 解説文には伊達政宗のものとは書かれてはいないが、日本の戦国武将の鎧兜を参考にしたとある。ベイダーの漆黒のマスクとその曲線、全身黒尽くめの装甲服…。確かに、見れば見るほどよく似ている。 天体は、世の東西を問わず人々の信仰を集めてきた。戦国武将たちも祈りを込めて、日・月・星を兜や旗印に用いた。天空を舞台にしたスターウォーズと戦国武将には、どこか相通じるものがあるのかもしれない。
写真/くろうるしごまいどうぐそく黒漆五枚胴具足(くろうるしごまいどうぐそく)伊達政宗所用として最も有名な具足。前立の細長い金色の月が印象的。仙台伊達家では、旗は日輪、兜の前立は半月と定め、伊達政宗以降、九曜星を家紋のひとつとしている。仙台市博物館所蔵。
火薬弾薬の製造
当時鉛で、弾丸をそして火薬を作るのは、武士の女房や娘の仕事でした。 危険な作業をしていたんですね。
長篠の戦い屏風絵
有名な「長篠の戦い」の屏風絵の写真です。(原本は大阪城天守閣に展示されているものです。) 長篠の戦いといえば織田・徳川連合軍が武田の騎馬軍団を3000丁の鉄砲で瞬く間に撃ち破った。というのがストーリーですが、近年の研究でそれは作り話だという説が有力になっています。 こちらのサイトでわかりやすく説明されています。
天守三階
ここは下から二番目の大きな軒の陰に隠れており、一見、外からはわからない階です。案内板には「隠れ階」としてわざと作られたように書いてありますが、構造上の理由でできた屋根裏部屋だと思います。
天守四階
御座所です。この階の一部の柱に檜が使われており、それに囲まれた部分です。領主が場内でいる場所です。よってこの階は天井も高く、四方から光が入り非常に明るい階です。
場内で一番急な階段
左が四階から、右は五階から見た写真です。 角度が61°もあり1ステップが非常に高く、上に大きな梁があるため、非常に上り下りが困難な階段です。そのためいつもここで渋滞が起きシーズン中は入場制限されるほどです。メンバーの一人の女性が、着物で挑戦したところ何とか登れたそうです。 だけど当時は女性が天守に登ることはほとんどなかったのではないかと思います。だってこんな階段登りたくないですよね 私の松本城の思いでは 小学生の時、ステップに滑り止めがついていなくて、靴下で上ると滑ってものすごい怖い思いをした記憶しかありません。
天守五階
この階の四方には、破風の内側の「破風入り込み間」と大広間、廊下があります。そしてこの階は重臣たちが作戦会議を開くところだったといわれています。 五階の天井は他の階と比べてとても高いのですが、上部には軒がついており、外から見るとバランスがとれるようになっています。
天守六階
最上階の六階です。ここでは一休みして各方向の景色を楽しんでください。
左から 東 本丸御殿跡、遠くには美ヶ原が見えます。 西 北アルプスの山々です。天気が良いと槍ヶ岳も見えます。 南 松本市街です。 北 加助が処刑された城山があります。
ここの目玉は天井にあります。
左が26夜神、鯱とともに松本城を守ってきた守り神です。 詳細はこちら 右は屋根裏ですが、ここは「てこの原理」を利用して、重い屋根を支えています。これは法隆寺の五重塔でも使われている鎌倉時代以来の建築技術です。
辰見付櫓・月見櫓
左 辰見付櫓 展示物は鉄砲隊のアクセサリーです。 右 月見櫓
ここからは今までの三つの櫓とは違い、優雅な作りになっています。辰見付櫓は月見櫓と天守をつなぐ役目のものだと思います。 月見櫓は三方を開いて、時の城主はここで月見の宴を催したのでしょうか? そして月見の際は三つの月を楽しんだと言われています。
空の本物の月 堀に映った月 杯に映った月 です。